コープ全体会の研修 地震対策の制振の講師をしました |
「制振」は、地震の揺れを抑える装置を用います。
前回ブログに書いた、「免震」よりもコストが圧倒的に安く、数十万円で、地盤などのいろんな制約がないことが多いです。
制振は、私が講師をしました。
私は、制振工法を、東日本大震災よりも前から採用していて、震災以降は、全ての新築住宅に採用しています。
いくら、耐震等級を最高ランクの3にしても、耐震設計だけでは、十分ではないと考えているからです。
耐震設計というのは、建物をがっちり固めることです。
最初の地震の大きな揺れに耐えることができますが、がっちり固めることにより、ダイレクトに揺れが伝わります。
人や家具等の転倒によって、けがや家具等によって圧死する可能性や、建物は、最初の大きな揺れでは倒壊しないものの、一部損傷する可能性はありえます。
大地震の後には、何度も大きな余震が襲ってきます。
最初の大きな地震に耐えられたとしても、何度も余震で揺らさせるうちに、釘などがゆるんだり、破断して、ついには倒壊する可能性もありえます。
建築基準法の耐震基準は余震を考慮していません。
最初の地震で、倒壊せず、余震が来る前に、外へ逃げることを前提にしています。
制振装置によって、地震や余震の揺れを抑えることができれば、人や家具等が転倒しにくくなりますし、建物内外の損傷被害を抑えることができます。
今回、講師をするにあたり、制振について、再度、研究をしました。
免震装置メーカーが5社程度なのに対して、制振装置メーカーは、30社ほどが、いろんな装置を開発しています。
どのメーカーも、大地震時の揺れをおおむね半分程度に抑えることができる性能というのが多いです。
新しくカタログやサンプルを取り寄せたり、数社のメーカーには、説明に来てもらったりしました。
大きく分けて、以下の5つのグループにまとめることができます。
金属系、オイルダンパー系、ゴム系、粘弾性系、摩擦材系です。
それぞれ一長一短ありますし、そのグループの中でも各々性能等が違います。
それを一覧表にまとめて発表しました。
普段、採用している、金属系である「ボウシン」を中心に説明をしました。
地震後に元の位置に戻る、「復元力」があるのがいいかと考えています。
設置工事中の過去ブログ。
他の制振部材も採用したことがあります。
次回に続く。