岐阜県各務原市のお客様とフリー相談室 |
軽量鉄骨造のハウスメーカーの家をリフォームするか、建て替えて新築するか、悩んでいるそうです。
今の住まいが、断熱性能が低くて、サッシも1枚ガラスで結露がひどく、気密性も悪くて、すきま風を感じるとのことで、リフォームか新築によって、改善したいとのことです。
なぜ、そんなに遠くの各務原から?と思ったので、お聞きしたところ、「高気密高断熱」や、「パッシブ」などの語でネット検索していたところ、私たちのブログが、何回かヒットしたそうです。
私は「超」高気密高断熱を推進する(一般社団法人)パッシブハウス・ジャパンの会員ですが、そのこともご存じでした。
遠いところ、ご足労いただきまして、ありがたいです。
断熱リフォームによって、改善することは、ある程度はできます。
軽量鉄骨造の場合は、木造と違って、鉄が熱を伝えやすいことから、柱部分のヒートブリッジ(熱橋)対策が特に重要で、鉄骨柱の内側か外側に断熱材を施すことが、必要となります。
外壁が隣地境界線から50cmしか離れていないとのことなので、外張り断熱リフォームはできません。
民法で隣地境界線から外壁面まで50cm離すことを規定しているからです。
柱の内側に断熱材を施すと、部屋の面積が狭くなります。
日当たりや風通しも悪いそうで、それらをリフォームで改善するには、窓を新設したり、吹抜を作ったりする必要がありますが、構造がブラックボックス化されていて、施工したハウスメーカーしか分からないので、どこの壁を壊していいか、どの床を撤去していいかが、私たちでは分かりません。
それは、どこの設計事務所でも工務店でも同じだと思います。
施工したハウスメーカー以外には、構造躯体をいじるようなリフォームは、怖くてできないと思います。
新築しない場合は、これから少なくとも50年、この住宅に住むことを考えると、壁や天井をはがして、壁内の構造体をチェックすることをお勧めしました。
また、リフォームと新築の大きな違いのひとつは、地震対策です。
敷地の地盤がいいかどうか分かりませんが、建設当時は、戸建て住宅で地盤調査を行うことは、あまり行われていなかった時代です。
なので、地盤補強をして家を建てていたかどうか・・・。
リフォームでいくら耐震補強を行っても、地震で地盤が緩んだり、崩れたりしたら、どうしようもありません。
さらに、浦安のように地盤の液状化現象が起こる可能性は、海沿いに限りません。