政府による「住宅 断熱効果の義務づけ検討」開始 |
「世界基準の「いい家」を建てる」 では、本のタイトルにあるように、世界基準の「いい家」が、日本の次世代省エネ基準のはるか上を行く基準であることを思い知らされました。
世界基準から見れば、次世代省エネ基準は、その1/3(愛知県などⅣ地域などの場合)の性能しかない、遅れた基準であるというのです。
次世代省エネ基準とは、(財)住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)のフラット35やフラット35Sの省エネ基準のことです。
↑グラフと挿絵は(財)建築環境・省エネルギー機構のホームページからの転載です。
「やっと国際水準に追いついたぞ!」なんて言ってますが、正確には、国際「最低」水準です。
「次世代」なんて、未来の省エネ基準のような名前ですが、1999年(平成11年)に建設省によりつくられた「古い」基準なのです。
1992年の「新省エネ基準」に対して、このような名前になっているにすぎません。
一番最初に作られた1980年の「省エネ基準」に対して、「新」と名付け、いまだに、「新省エネ基準」という言葉が残っています。
日本の住宅産業界は、これまで、世界に比べれば環境意識が低く、世界に取り残されて、「古い」次世代省エネ基準ですら、新築住宅の40%と低いままです。
新築ではない、住宅も含めたら、住宅全体では、かなり普及率が低いです。
私たちの設計では、今まで、当たり前のように、お施主様から特に求められなくても、少なくとも、次世代省エネ基準をクリアする設計をしてきました。
住宅エコポイント(再開が決まりました)を取得するためには、次世代省エネ基準をクリアするのが、早道だったということもあります。
日本では、建物を建設する時に守らなければならない、「建築基準法」で、断熱や気密に関して、法規制が全くないのです。
全くの、無断熱で、すきま風ぴゅーぴゅーの家で、エネルギーを大量消費してしまう家でも建てることができてしまうのです。
日本でも早く、最低基準を設けるべきだと思います。
エネルギーの垂れ流しを防ぐべきです。
こんなことを思っていたつい最近、日本ではこんなニュース「住宅 断熱効果の義務づけ検討」がありました。
東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、電力不足が懸念されるなかで、家庭でのエネルギー消費を減らすため、経済産業省は、住宅の窓や浴槽といった建材や設備に一定の断熱効果を義務づける方向で、省エネ法を見直す検討に入りました。
喜ばしい、日本では画期的な方針です。
でも、建材メーカーや設備メーカーに義務付けをするだけのレベルにとどまっており、家全体に法規制を設けたわけではありません。
でも、法規制化への第一歩と評価したいと思います。