「自作自然の家/岡崎」 床の天然リノリウム張り |
水廻りの床に、天然リノリウムが張られました。
水廻りの床は一般的な家では、クッションフロア(「クッション」と呼ぶほどにはクッション性があるわけではないですが)という塩ビのシートを張ることがほとんどだと思います。
どうも、私には、あまりいいイメージがありません。
デザイン的には、いろんなものがありますが、木目柄や石目調などのイミテーションは絶対に使いたくなく、そうなると選ぶ範囲が限られます。
やぶれてしまうこともあり、直すことが困難です。
石油製品である塩ビなので、焼却時のダイオキシンの問題などもあります。
自然素材にこだわった家にしたいので、天然リノリウムをよく採用します。
リノリウムは約150年以上前にヨーロッパで発明された材料です。
戦前は世界中で製造されていましたが、現在ヨーロッパに残る3社のみが製造・販売をしています。
石油製品である塩ビとは異なり、亜麻仁油、松脂、コルク、木粒などの植物をはじめとする天然の原材料からリノリウムは作られるサスティナブルな自然素材です。
また塩ビはデザインや柄が印刷されているものがほとんどですが、リノリウムは印刷ではなく素材そのものの色と言う事ができます。
なので、多少傷付いても、紙やすりで削っても同じ素材がでてきますから、自分で直すことも可能です。
リノリウムの特徴
天然の抗菌性
原材料の亜麻仁油は抗菌性があり、昔から薬としても利用されてきました。そのため
リノリウムにも天然の抗菌性があり、大腸菌やMRSAにも抗菌性を発揮します。
天然の耐久性
リノリウムは施工後も呼吸をし酸化し続けます。これにより強度も増します。
耐タバコ焼け性
塩ビではないので、タバコの揉み消しをしても溶けることはありません。難燃性。
生物分解性
リノリウムは生物分解性があり埋めると土に戻ります。
燃やした場合
無垢の木材と同じで、水と二酸化炭素のみが発生します。
この二酸化炭素は原料の木材やジュートが成長する過程で吸収されます。
エコラベル
世界中で様々なエコマークを取得しています。
歩行感
防音
静電気を帯びない
ほこりが吸い寄せられません。
耐摩耗性
耐薬品性
ただし、強いアルカリに弱いので、選ぶ洗剤に注意が必要です。
耐汚染性
汚れが付きにくく、落としやすいです。
高いデザイン性
デザイン性が豊かです。和に合うデザインも。
特にフォルボ・フロアリングは世界の60%のシェアをもち、デザインが多様です。
いろいろなメリットがありますが、デメリットもあります。
価格が高い。
塩ビに比べれば、水には比較的強くないので、ワックスでコーティングが必要です。
サンゲツのウンボロ(イタリア製)は、最初からワックスされた商品なので、よく採用します。
水に濡れたら、すぐに拭けばいいです。
比較的、現場で施工しにくい。
クッション性がない。
空気を含んでいなので、素足だと冷たい。(床断熱や基礎断熱での配慮をするといいです)
すべりやすい。(マットを敷くといいです)
しかし、デメリットよりも、メリットのほうが多いと考え、採用しています。