「(仮称)岡崎の住宅」 液状化対策の地盤改良工法 |
前回打合せが、ちょうど、大震災の起きた3月11日の夕方でした。
「もう1ヶ月たつんですね」とお互いの仕事への影響などを話しました。
大震災では、千葉県浦安市など主に関東地方の埋立地や砂質の軟弱地盤地域で、ひどい液状化現象による被害が出ていて、住宅などが傾いてしまいました。
液状化現象とは砂質地盤で、地震時に起こりやすく、砂と砂の間にある水分が、地震で揺らされることにより、水と砂が分離され、水が一気に地上に噴出する現象です。
こちらのページの解説がわかりやすいです。
建設地は矢作川の近くで、砂質であり、液状化の恐れのある地域に該当しています。
当然、そういう地域は揺れやすいので、地震時の震度も大きいです。
岡崎市の場合は岡崎市ホームページ内のこちらのサイトで液状化の恐れや、予測震度を調べることができます。
岡崎市以外では、岐阜大学地震工学研究室が開発した、郵便番号を入力すると、予測が分かるサイトがいいです。
そこで、液状化対策のできる地盤改良方法を提案しました。
一般的に、地盤改良の方法は大きく分けて3種類あり、地盤調査結果に基づいて選定していきます。
その他にもありますが、特殊な工法なので、割愛します。
①表層改良
地盤の表層(深さは2m程度が限度)の土をプールみたいに掘り、土にセメントを混ぜ、硬い地盤 を造る方法。
②柱状改良
地面に何本もドリルで穴をあけながら、土にセメントを混ぜ、地中の杭状の改良体を造る方法。
深さは8m程度が限度。
③鋼管杭
土の中に何本も鉄製の管を挿入する方法。
今回提案したのは、いずれでもなく、②に似ていますが、地面をドリルで掘って土を取り除いた後、砕石(砕いた石)を充填して、改良体を造る、天然石パイル工法の「HySPEED工法」という工法です。
「ハイスピードこうほう」と読みますが、施工スピードが早いという意味ではなく、以下の頭文字をとって命名しています。
なぜ液状化対策になるかというと、ドレーン効果(排水効果)といって、砕石同士のすきまに、地震時に生じた砂と砂との間の遊離水が入りこみ、一気に水が地上に噴出すことを抑制することができるからです。
地震の揺れにも、改良体全長にわたって、追随するよう、しなりながら耐えることができます。
コストが少し高いですが、採用する価値はあります。