名古屋市中央卸売市場 |
講習会会場の名古屋国際会議場(センチュリーホール)の道路をはさんだ向かいに、名古屋市中央卸売市場という巨大な市場があります。

国際会議場の真向かいの市場施設↑は、国際会議場の建物グレードに合わせて、とても市場には見えない立派な建物です。

私は、独立前の設計事務所勤務時代に、この市場の、とある施設を設計したのです。
市役所発注の建物ですから、市役所にもたくさん打合せに行きましたが、この中央管理棟↑にもよく、打合せに来ました。

↑設計当時にはなかった、中央管理棟からの見学者通路ブリッジが完成していました。
遠くに、名古屋国際会議場のツインタワーが見えます。

↑私が設計した棟の外部階段です。
アルミルーバーで囲われています。
機能一辺倒の建物ですが、外部階段が、道路や見学者通路ブリッジから目立つ位置にあったので、市場の先進性を表す何か、デザイン的な要素にもなるものとして、提案したものです。

当時の設計の大変さを思い起こしました。
市場を使いながらの増築で、一部は既設の棟と棟の間にすっぽりとつなぐ形であり、既設建物との取り合いが大変難しかったです。
何度も現地調査や寸法を測りに行きました。
また、工事の進捗状況に合わせて変わる、工事中の仮囲いの計画なども行わなければなりませんでした。
建物自体はとても変わった構造をしています。
工期短縮と、大スパン(柱を減らすために梁(柱と柱をつなぐ水平部材)を飛ばすこと)、耐火要求を満たす、PC(プレキャストコンクリート)構造という構造を採用しています。
あらかじめ、プレキャストコンクリートと呼ばれる柱パーツ、梁パーツ、床パーツを工場で製作し、それを現場で組み立てるのです。
現場監理は市役所が担当したので、現場を見ていませんが、見ることができたら、面白かっただろうなと思います。
がんばって設計した建物が、重要な施設として、市民のみならず、東海地方のみなさんの役に立っていることを考えると、感慨深いです。
ここで、グルメ情報!
市場内にある海鮮食堂「一力」に、設計中によく行きました。
安くておいしいです。
市場関係者でなくても入れますので、どうぞ。
(市場にはゲートがないので自由に出入りできてしまいます)