建築士会講習会 「ひびわれのおきにくいモルタル壁」 |
2つの建築材料についてで、各々のメーカー2社からの講習を受けました。
まず前半は、「ひびわれのおきにくいモルタル壁」についてです。
モルタルとは、セメントと水を混ぜたもので、現場で左官職人によって金コテで塗られる材料です。
タイル調などの窯業系の外壁サイディングに飽きてきた方たちに、人気のある、ジョリパットなどの弾性系の吹付材や塗料などの仕上の下地としてモルタルを塗ります。
目地のない大きな面を、左官工事で作ることができます。
竣工した「暮らせる蔵」の2階北面もモルタル壁下地です。
愛知県では、外壁仕上げといえば、圧倒的に窯業系の外壁サイディングが多いです。
過去の建築士会の講習会ではメーカーのニチハが講習をしてくれました。その時のブログはこちら その1 その2。
(株)ノダの方が講師となり、「ラスカットパネルM」というモルタル下地耐力面材について説明を受けました。
従来のモルタル壁は、知っている人も少ないと思いますので、ちょっと説明します。
まず、木摺りと呼ばれる木の板を横にすきまを少し空けながら、構造体の外側全面に張っていきます。
その上にラス網と呼ばれる金網を固定し、モルタルを下塗り、乾いたら上塗りを行っていました。
その欠点として、工期やコストがかかる、ひび割れしやすい、重い、外壁通気工法としにくいので構造が腐食、地震時に落下するという問題があり、それに替わる材料として、窯業系サイディングがシェアを伸ばしていったのです。
阪神大震災などの映像で、古いモルタル壁が落ちてしまい、木摺りがむき出しになった光景を見た人もいると思います。
従来品として、モルタル壁を合理化させようと30数年前から販売されている、構造用合板を基材とした「ラスカットパネル」があったのですが、それを進化させたのが、今回紹介をしていただいた「ラスカットパネルM」です。
基材はMDFと呼ばれる木材を粉砕したものを圧縮接着した材料です。
それに防水処理をした上にモルタルのくいつきをよくするために、凸凹のセメント層があります。
工期短縮し、コストを抑えられます。
軽量モルタルを薄い厚さで施工することができるため、軽量化され、地震に対し有利です。
湿気を通しやすい材なので、外壁通気工法にしやすいです。
筋交い代わりの耐力面材になり、地震時にモルタル層が落下しにくくなっています。
他にもいろんなメリットがあります。
いい材料だなと思ったので、今後詳細にメーカーの営業マンに聞いたりして理解を深めたいと思いました。
次回ブログは、2つめに紹介していただいた「おもしろい使い方のできる半透明素材」です。