シュタイナー建築って何? バウビオロギーって何? |
その打合せの直前に、奥様から「シュタイナー建築って何?」との質問メールを受けており、関心を持っていらっしゃるとのことで、その説明をしました。
もともと自然素材を使ったシックハウスのない家を希望されており、いろいろ調べているうちに、「シュタイナー建築」に行き着いたそうです。
初めて聞く言葉と思われる方がほとんどだと思います。
私自身は、学生時代から、シュタイナーは建築家としては知っておりました。
ドイツのルドルフ・シュタイナーという人智学者・建築家で、1928年スイスに建てた第二ゲーテアヌムというシュタイナーを信奉する人たちが利用する、講堂や、図書館、劇場の複合施設が有名です。
多面を組み合わせたような、造形的、彫刻的で有機的な形状をしています。内部も装飾的なデザインです。
世界初の大規模なコンクリート打放し仕上げの建築といわれています。
しかし、私はそれしか知りませんでした。
そこで、調べてみることにしました。
すると、シュタイナーは教育者であり、現在では、全世界にシュタイナー学校と呼ばれる、独自の教育方針を持った学校等が多く存在することが分かりました。日本にもあります。
その学校施設に共通するのは、木、しっくい、大理石、テラコッタタイルなどの自然素材を多用しているということです。
日本では、シュタイナーの建てた第二ゲーテアヌムのようなデザインを踏襲しているわけではなく、木造施設も建てられています。
さらに調べると、日本のシュタイナー建築の研究者が前橋工科大学の石川恒夫先生であり、シュタイナー学校施設等の設計もされていました。
先生は日本におけるバウビオロギーという建築生物学研究の第一人者でもあり、日本バウビオロギー研究会の発起人でもあります。
私は、バウビオロギーとシュタイナー建築との共通点を見出せるのではと考えています。
バウビオロギーとは、ドイツで1960年代に生まれた考え方で、ドイツ語の「建築=バウ」+「生命=ビオ」+「学問=ロゴス」を組み合わせた造語です。
バウビオロギーは健康や環境に配慮した人間味あふれた、「巣」としての住まいづくりを目指しています。
エコロジーと似ていますが、ちょっと違います。
日本でバウビオロギーの考えにもとづく家づくりをしている有名な建築家として、以前から、秋田県の西方設計の西方里見さんを知っていました。
以下、西方設計ホームページからの抜粋
エコロジーは地球全体や地域との環境共生ですが、バウビオロギーはエコロジーの中で家屋を中心とした室内・外環境の狭い範囲に絞られています。
もっと端的に言うと、エコロジーは地球に負荷をかけない、バウビオロギーは人(本人と家族)に負荷をかけないことになります。
環境ホルモンや化学物質過敏症などに配慮された考え方です。