地震後の補修 |
耐震でも耐震等級1と3ではゆれの大きさが違うので、補修費用に大きな違いが出ます。
おおまかに言えば、等級1(=建築基準法レベル)は、建物は倒壊しないが、補修する必要性あり、等級2(等級1の1.25倍の耐震性)は軽微な補修を必要とする、等級3(等級1の1.5倍の耐震性)はさらに少ない補修で済みます。(※家具等転倒除く。地盤の影響除く。)
地震保険には入ったほうがいいと思うので、等級を2以上にして、保険金で補修費用をカバーするという考えもありますが、家具等転倒によるケガや人命を守るため、壁にしっかり固定したり、耐震粘着マットを敷いたり、造作家具にするといいと思います。薄型TVは倒れやすいので耐震粘着マットが有効です。
また、補修のしやすい外壁や屋根材、内装材にすることも重要だと思います。
すぐに廃番になってしまう既製品でなく、どこでも手に入る汎用品を使うほうがいいと思います。
タイル模様等の外壁サイディングにクラック(ひび)や割れが生じた場合(台風でモノが飛んできた場合もありえます)、交換しようにも廃番になっている可能性が高いです。
サイディングの継ぎ目のシーリング(コーキングともいう。パテ状の充填材)は地震のゆれで切れる可能性があります。
経年でも紫外線で劣化したり、強風による振動やサイディングの熱収縮によって切れる可能性があるので、場所によっては10年程度ごとの足場を掛けての打ち替え(シーリング材を撤去して、充填し直す)が必要です。(実際には、外壁の塗り直しと同じ時にすることが多いので、この頻度で行っている家は少ないと思います。メーカー推奨は7年)
ラムダという押出成型セメント板は無塗装で使え、コンクリート打ち放しの風合があります。ただし、シーリングが必要なので、上記と同じメンテナンスが必要です。
モルタルにジョリパット塗りや珪藻土などの左官材を使うにはクラックの問題から、耐震等級を上げ、かつ、仕上げ材だけでなく、下地板同士のジョイントが切れないように、ゆれ対策を考える必要があります。
屋根や外壁のガルバリウム鋼板は軽いので、地震のゆれを小さくします。(建物荷重が大きいほど、地震のゆれは大きい。瓦を使う場合、建物の構造体にかかる費用も増えます。ただし瓦は塗り替え不要で断熱効果もあるので、ランニングコストは下げられます。従来より軽く、ずれない防災瓦もあります)
クラックが生じず、地震や経年で切れるシーリングを使わないで済ますこともできるため、補修費用を抑えることができます。
外壁に木を張るのも軽いので耐震上有利です。ただし頻繁な塗装によるメンテナンスは欠かせません。足場を掛けずに済む低層部やバルコニー等に部分的に使うのがいいと思います。
ウッドロングエコという塗装は一度塗れば、塗り替え不要とのことですので、使ってみたいと思います。
いずれも、防水シートが外壁材の裏にあるので、シーリングが切れた、外壁材にひびが入ったからといって、すぐに雨漏れになるわけではありません。