「囲む家/安城」 遮熱断熱材 |
この家では、外壁や天井に高性能グラスウール断熱材を施工しています。
外壁断熱材は、高性能グラスウールのアクリアネクストの厚さ105mmです。
世の中で一番多く使われている断熱材はグラスウールですが、普通のグラスウールは、黄色であることが多く、ガラス繊維が太く、密度が低い10kg/m3で、厚み50mmか100mmというのが多いのではと思います。
この仕様では、次世代省エネ基準が求める熱抵抗値2.2をクリアできません。
厚さ100mmの場合で、熱抵抗値2.0です。
アクリアネクストは白く、ガラス繊維が細く、白い綿のようで、チクチクしません。
密度は14kg/m3とそんなに高いわけではないですが、先述の一般に使われているグラスウールの熱伝導率が0.05に対し、0.037と小さく、熱抵抗値2.8であり、次世代省エネ基準の2.2を大きくクリアします。
周囲を袋状のポリエチレンフィルムで、6面フルパックして包んでおり、普通のフィルムよりも、厚手で、防湿します。
ガラス繊維自体に、撥水処理もしてあり、壁内で垂れ下がることもありません。
↑屋根断熱材は、遮熱付高性能グラスウールのアクリアサンカットの厚さ155mmです。
名前のごとく、上面の銀色のアルミ蒸着遮熱フィルムにより、太陽熱をカットします。
下面側には、遮熱フィルムはないので、アクリアネクストに見えます。
熱抵抗値は4.1で、次世代省エネ基準の天井断熱4.0をクリアしますが、屋根断熱4.6はクリアしないレベルです。この家は屋根裏がないので、屋根断熱という扱いになります。(屋根断熱材の上には通気層があり、排熱します)
クリアしない場合は、家全体で断熱を考える「トレードオフ」という緩和規定を使えば、壁で必要熱抵抗値を超えている場合、屋根や天井の必要熱抵抗値を下げることができ、クリアできます。
また、この家は窓ガラスが、断熱省エネガラスである、Low-Eペアガラスなので、それを使った緩和も可能です。
家を建てる前には、必ず、確認申請というものを役所や確認検査機関に提出して、お墨付きを得なければなりませんが、建築基準法には、断熱が義務化されておらず、ノーチェックです。
次世代省エネ基準は、住宅金融支援機構のフラット35Sや省エネ法や低炭素住宅、長期優良住宅などに該当する家を建てる場合に求められる基準ですが、平成11年にできた、世界基準から見れば、古くて、甘い基準だと思っています。(名前は「次世代」ですが)
これをクリアしているからといって、十分とは考えていません。
なので、耐力面材のモイスTMを全周に張ったりして気密性を高め、基礎断熱や断熱サッシやLow-Eペアガラス、遮熱透湿防水シート、遮熱塗装ガルバリウム鋼板などを採用し、さらに性能を上げることをしています。
今年4月に新しい省エネ基準ができるようです。
今回は、コストパフォーマンスの高い、高性能グラスウールを採用しましたが、予算や部位、施工性などに応じ、いろいろな断熱材を採用しています。
羊毛断熱材、新聞紙粉砕したセルロースファイバー、大豆や植物油から生まれた現場発泡ウレタンのソーヤやアグリなど。
外張り断熱材や基礎断熱材として、ポリスチレンフォーム、イソシアヌレートフォームのサーマックスSⅡなど。
最近はセルロースファイバーを採用することが多いです。