NPO法人 WOOD AC 講習会 木造の防火 |
一部は、木造住宅の防火について
二部は、宅地の地盤について
ともに、住宅の安全にかかわることで重要なことです。
まずは、木造住宅の防火について、講師は、東京の設計事務所の安井昇さんです。
最近、3億円をかけて造られた、木造3階建ての校舎を燃焼実験をしたニュースを見た方はいらっしゃるでしょうか。
国は、2年前に、低層の公共建築物は、原則、木造にする方針を打ち出しましたが、3階建ての木造校舎にも拡大展開する構想をもっています。
日本の林業再生とそれによるCO2削減のためです。
このように、従来、防火規制のために、木造では無理と思われていた建物が、木造で建てられる時代になっていきつつあります。
木造というと、すぐに燃えるイメージを持っている方もいると思いますが、けっしてそうではありません。
いくつもの、燃焼実験のビデオを見せてもらいました。
厚い木材は、表面が炭化し、それがさらに燃焼するのを抑える効果があるのです。
ほおっておけば、最後には、燃え尽きてしまいますが、人が逃げたり、消防車が到着する時間をかせぐことができるのです。
それよりも、もっと危険なことは、人が火事で亡くなるのは、火によるものではなく、ビニールクロスなど石油系物質による内装が燃えることによって発生する有毒ガスや一酸化炭素中毒による死者のほうが圧倒的に多いということです。
これは、木造住宅に限ったことではありません。
どんな構造でも、まず、内装が燃えて、その後、構造体に影響がいきます。
よりいっそう、内装に自然素材を使いたいと思いました。
木造住宅においても、特に市街地で、従来は防火規制により、仕上げ材などの厳しい制限がありましたが、燃焼実験の成果などにより、規制緩和がすすみ、木をあらわしで使ったりすることができるようになっています。
次回に続く。