長野古建築見学旅行 その5 |
昼食後、松本を後にして、国道254号を東へ走り、東信州の東御(とうみ)市へ。
途中、東信州特有のかつての養蚕農家の民家を数多く見かけました。
本棟造りと異なり、南北流れの屋根ですが、屋根の上に煙抜きのための小さな屋根が乗っています。
蚕は寒さに弱いので、室温を保つために、火を室内で炊いていたので、その煙を外へ出すためのものです。
中仙道と北陸道を結ぶ北国街道の宿場町であった海野(うんの)宿へ。
国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、日本の道100選にも選ばれています。
脇の水路には清らかな水が流れ、電柱も立っておらず、昔の宿場町の雰囲気を保っていて、すばらしいです。
↑うだつ(両脇に突き出た防火袖壁)の上がる立派な建物。
かつての旅籠宿であった海野宿資料館に入りました。
明治に入り、宿場の機能が失われると、養蚕の村へと変わりました。
この旧旅籠でも、養蚕が行われるようになり、養蚕のようすも紹介していました。
その後、近くの重要文化財である春原(すけのはら)家住宅へ。
かやぶきの江戸時代初期400年前の農家です。
中に入ると大きな土間があり、文字通り「土」の間です。
軒は深く、大きく、日差しを制御し、空気層を含む厚いかやによって断熱効果を高めます。
窓(間戸と書くべきだと思います。柱と柱の間に設けた戸)は床近くに設置し、高さを抑えています。
床に反射した光が、薄暗い屋根下地の見える高天井を浮かび上がらせます。
日本の民家の原型を見る思いでした。
次回に続く。