「うなぎの寝床」の土地 その3 |
「うなぎの寝床」のような間口が狭くて、奥行きの長い敷地は、正方形に近い同じ面積の敷地と比べると、一般的に次のような数々のデメリットもあります。
「うなぎの寝床」の場合、間口が狭いですから、1階に必要な床面積を確保するためには、建物も奥行きを大きくせざるを得ません。
そうすると、外壁を隣地境界線まで50cm離すと、建物の両側に、普段はほとんど使えない、無駄なスペースが長々とできてしまうのです。
その結果、南に庭が確保できたとしても、敷地の奥行き次第ですが、思ったほど、大きくは確保できない可能性があります。
北側道路の場合は、南の庭は、周囲の建物に囲まれている状況(今はそうでなくとも、将来も含め)になることが多く、必ずしも、明るい庭になるとは限りません。
「うなぎの寝床」の場合、南北に細長いのが普通です。
間口が狭いので、南の外気に面する部屋が少なくなります。
南側道路の場合は、この貴重な南に玄関を設けなければならないので、間口が狭すぎる場合は、1階南にリビングを配置できません。
東西面には窓を設置できるものの、隣家があり、採光を期待できない可能性が高いです。
隣家も同様に「うなぎの寝床」というケースが多いからです。
間口が狭いと、駐車場2台分をなんとか確保したとしても、アプローチを確保できません。
車1台分の駐車スペースとして間口2.5mはほしいところです。
2台分となると、間口が5m必要ですが、敷地間口が5mの場合は、車と車のわずかなすきまを通らないと玄関にたどり着けません。
まして、両側にフェンスが既にある場合は、撤去しないと厳しいです。
前面道路が狭い場合が多いですが、4mしかない場合などは、敷地内で駐車場の奥行きを、通常より大きく確保しておかないと、切り返しができません。
以上のように、「うなぎの寝床」は一般的なプランの考え方では、快適な住環境にするには、難しいのです。
そこで、私達のような設計事務所では、思い切ったプランを提案することができます。
次回に続く。